シロアリポリス

アメリカカンザイシロアリ

これまでの日本におけるシロアリのイメージといえば、ジメッとした床下の地面から登ってきて、家屋の柱などを食い進むものでした。

日本の代表的なヤマトシロアリ、イエシロアリ(イエシロアリはもともと外来種です)は適度な水分がないと生きていけません。地中から家屋の中を上へ上へと進む際に、自分たちの体を乾燥から守るため、蟻道(ぎどう)と呼ばれる土でできたトンネルを木の表面に作り、その中を食い進んでいきます。それがシロアリの生態というのが私たちの認識でした。

ところが、ある日突然に空中を飛んできて、家屋の二階からでも入り込み、水分が無く乾いた木材でもバリバリと食べてしまう・・・、地面から離れているはずの屋根裏の柱が先にボロボロと痛むなんてことは誰も考えていなかったのです。

これが現在日本で猛威を振るっている外来種のアメリカカンザイシロアリです。

動画:アメリカカンザイシロアリの被害住宅(1分30秒)

このように家を支える大切な梁(はり)や柱も容赦なく食害していきます。

日本に上陸

もともと日本にいなかったアメリカカンザイシロアリは、米国では西部カンザイシロアリと呼ばれ、カリフォルニア州を中心に猛威を振るっていました(世界中に分布しています)。ハワイ、ヨーロッパなどの諸国では、アメリカカンザイシロアリへの予防をしないと、木造の住宅を建ててはいけないというくらい、深刻な被害を発生させる種類なのです。

国内では1970年代に東京・江戸川区で初めて発見されたと言われています。侵入経路は、輸入した家具に潜んでいたとされています。そのほかに輸入する建築材料などにも被害が及んでいるケースが報告されています。

被害の実態

1970年代から始まった、日本でのアメリカカンザイシロアリの被害は、2018年4月現在、暖かい関東以西に定着していると言われています。しかし近年の住宅は気密・断熱性がともに良く、寒冷地でもアメリカカンザイシロアリが住み着いている家具などを持ち込むなどした場合、条件があえば発生する可能性も十分考えられます。

特に被害がひどい地域というのはある程度特定はされていますが、日本の予防策の施されていない密集した住宅事情は、地中経由ではなく飛翔によって被害範囲を拡大するアメリカカンザイシロアリにとっては、とても繁殖のしやすい環境です。

現在の被害地域の分布図

被害地区は毎年、徐々に広がっています。

羽アリの群飛

アメリカカンザイシロアリは毎年6月から10月の間の日中、新しい巣を作るために羽アリが飛び出して、家から家へ被害を拡げていきます。これを群飛(ぐんぴ)といいます。

実はアメリカカンザイシロアリの飛翔可能な距離は数メートルから数十メートルしかなく、大きな河川や広い道路があるとそこで被害エリアが区切られている事もあります。しかし、一度被害が発生してしまうと、予防策を施していない密集した住宅同士、あっという間に被害が拡がっていきます。

被害は木造だけではなく、鉄骨造の住宅の窓の木枠に被害がみられることもあります。窓から室内に入り込んできて、木枠を食べ始めるようです。

おうちにこんな症状が出たら・・・

さて、アメリカカンザイシロアリの生態や被害範囲、被害の状況を説明しましたが、では、大切なおうちへの被害の出始めのサインをどこで見分けるかというと・・・アメリカカンザイシロアリの出す「糞(ふん)」にあります。

数年前にあるお悩み相談のホームページで「玄関にタラコをほぐしたような粒々が落ちていました・・・何かの卵なのか、とても不安です。」という質問を見つけましたが、まさに状態はその通りで、はじめて糞を見かけた方は何かわからないと思います。また、気付いて疑問に思えば良いのですが、いつもの習慣で掃き掃除を続けて、知らぬ間に被害が進行してしまうケース(特に木造のアパートなどの集合住宅)もよくあります。

アメリカカンザイシロアリの羽アリが適当な木部を食べ始めると、糞粒(ふんつぶ)を出します。大きさは0.7mmから1mmほどの俵状で、6本の筋が入った粒です。色は食べた木材の色がそのまま出ます。淡い色の木材は淡い色の糞粒、濃い色の木材は濃い色の糞粒、いろいろな色が混ざって固まって、盛り塩のように落ちていることが多いです。

糞粒自体はそのまま置いておいても何かに影響があることはありませんが、掃除をしてしまうと、被害箇所の特定が難しくなってしまう場合がありますので、調査までは動かさないほうがいいでしょう。

玄関の周り、建物基礎のキワ、窓枠の上、基礎通気口の縁、収納内、屋根裏など、これだけではありませんが、おおよそ見つかる場所は決まっています。
アメリカカンザイシロアリは、木材の中を食べながら進み、木材の中にトンネルを作り巣とします(土の蟻道は作りません)。ある程度巣の中に糞粒がたまってくると、木材の表面に小さい穴(直径1mmくらいまで)を開け、そこから糞粒を外に押し出すようになります。これを蹴り出し穴(けりだしあな)といいます。

駆除や予防の際は、この蹴り出し穴を見つけることが最も重要です。蹴り出し穴は必ず木部内の長い長い巣につながっていますので、基本的に蹴り出し穴が見つけられないと、駆除が始められないのです。

羽アリは、飛んできて適当な木材を見つけると、まず自ら羽を折り、ちぎってから木材の中に侵入していきます。家の中に、1cmほどの羽が落ちていることも、被害のサインです。
おうちの中で糞粒を見つけたり、羽アリや落とした羽を見た場合は、速やかに駆除することをおすすめします。

アメリカカンザイシロアリの駆除業者

アメリカカンザイシロアリの駆除は床下だけでなく天井、壁、床にまで被害が及ぶため、住んでいる方の健康を考えると薬剤による予防や駆除が非常に困難です。
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