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使用薬剤【ホウ酸】

ホウ酸

「ホウ酸」とは

ホウ酸(Borate)は、ホウ素(Boron)と酸素が結合した物質で、天然にはホウ酸塩として存在している自然素材です。地球上にホウ酸塩は、ホウ素換算で土壌に3~4ppm、海水に4.5ppm含まれているといわれています。ただ、日本にはホウ酸塩鉱物の鉱脈は見つかっておらず、アメリカやトルコ、ロシアなどからホウ酸塩鉱石、ホウ酸、ホウ砂などを輸入しているのが現状です。

身近な存在であるホウ酸

ホウ酸というとゴキブリ駆除用の「ホウ酸ダンゴ」を思い出す人も多いかもしれません。ホウ酸のもつ殺菌効果は、古くから目薬や木製楽器の保存にも利用されており、ゴキブリの親戚であるシロアリにも効果があることが頷けます。また、ホウ素は植物にとって必須栄養素で、とくに野菜や果物は、ホウ素系の肥料がないと良く育ちません。ブドウにもホウ素がたくさん含まれており、ワイン1本には1日の摂取量の目安の2日分が含まれているといわれています。人間にとってもホウ素は必須微量栄養素で、食塩と同様の位置付けです。摂り過ぎると毒になりますが、摂らないと生きていけません。そのほか、ホウ酸には燃えにくい性質があるため、難燃剤として住宅建材や家財道具などの用途にも幅広く利用されています。

なぜホウ酸がシロアリに効くのか

ホウ酸が体内に取り込まれると、糖に由来する水酸基とキレート結合を形成し、補酵素の機能を失わせ代謝をストップさせます。代謝がストップしてしまうと生物は即死します。ゴキブリ駆除剤のホウ酸ダンゴは、この原理を利用してゴキブリの代謝をストップさせ、死に至らしめます。ホウ酸の毒性は、代謝という細胞の基本的な働きと関係しているため、合成殺虫剤のように耐性をもたれることがないとされています。シロアリやゴキブリなどの昆虫にとって食毒となるホウ酸が、人間などの哺乳類にとって毒とならないのは細胞に届く前に腎臓でろ過され、体外に排出されるからです。ホウ酸は、人間はもちろん、犬や猫などのペットや家畜など、哺乳動物には毒性が低く、腎臓をもたない昆虫やダニ、腐朽菌やバクテリアなどに作用する、理想的な殺菌・殺虫剤ということができます。

長期に渡って効果が持続するホウ酸

合成殺虫剤にはないもっとも大きな特徴は、ホウ酸が「無機物」であるという点です。「有機」と「無機」の違いを簡単に説明すると、有機とはオーガニックともいい、炭素(C)を含む物質で、最終的に分解されてしまう物質です。分解される時間は物質によって異なりますが、最終的には必ず二酸化炭素(CO2)と何かに分解されてしまいます。それに対して無機とはアンオーガニックといいますが、炭素を含まず分解されない物質を意味します。ホウ酸塩はおよそ2,000万年前から性質を変えずに堆積してきた物質であることからも、分解しない、性質が変わらない物質であることがよくわかります。無機物であり、揮発しないということは、空気を汚さず、ホウ酸の防腐・防蟻効果がずっと続くことを意味しています。

唯一の弱点は水に溶けやすいこと

良いことずくめのホウ酸にも唯一といっていい弱点があります。それが「水に溶けやすい」という点です。ホウ酸処理された木材に雨がかかるとホウ酸が溶け出してしまいます。ですから、ホウ酸処理をおこなううえでは「非曝露・非接地」、つまり雨に濡らさない、接地しないことが大原則となります。この原則はホウ酸を防腐・防蟻に使用している世界中の国に共通している原則で、この原則を守ったうえでホウ酸の用途が決まっています。ホウ酸が流れてしまった木材は未処理材と同じになります。

海外ではホウ酸処理が当たり前

日本でホウ酸処理が認定されたのは2011年ですが、健康問題や環境問題に意識の高い海外では早くから住宅へのホウ酸処理が普及していました。オーストラリアでは1930年代から、ニュージーランドでは1950年代から、アメリ力では1980年代から使われています。特に、すべての構造材に防蟻処理が必要なハワイ州では、1990年代からそのほとんどをホウ酸で処理しています。

アメリカカンザイシロアリに有効な唯一の対策

住む人の健康に害のないホウ酸処理は、日本で急激に生息が拡大しているアメリカカンザイシロアリにも有効です。建築基準法で定められている防腐・防蟻対策は、在来種である地下シロアリを想定した対策でしかありません。一方、アメリカカンザイシロアリの侵入経路は地下ではなく空からで、乾燥した木材を食害するため住宅の上部構造に直接被害をもたらします。住む人の健康にリスクのある合成殺虫剤は床下や壁の中など、直接居室に接しない部分にしか処理できませんが、安心・安全なホウ酸であれば全ての構造材に処理することが可能なため、唯一の対策手段といえます。