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vol.61 【プロの劣化対策】「床下だけ」では備えきれない時代へ|アメリカカンザイシロアリを見据えた高耐久木造住宅の設計スタンダード

【プロの劣化対策】「床下だけ」では備えきれない時代へ|アメリカカンザイシロアリを見据えた高耐久木造住宅の設計スタンダード

床下中心の防蟻対策から、全構造材ホウ酸処理へ。これからの木造住宅に求められる耐久性の考え方

これからの木造住宅は、床下中心の防蟻対策だけで十分と言える時代ではなくなりつつあります。アメリカカンザイシロアリの存在を見据え、全構造材のホウ酸処理まで含めて検討すべき——そんな段階に入ってきました。

これは単なる薬剤選びの話ではありません。お施主様の財産を守り、住宅会社の信頼を守り、将来のクレームリスクを下げる。いわば、住宅耐久性そのものをどう設計するかという思想の話です。

1.木材劣化は「他人事」ではない|国交省調査が示す現実

国土交通省補助事業による調査資料では、調査対象5,322棟のうち1,522棟で、シロアリ・腐朽・カビなどの木材劣化が確認されたと報告されています。決して他人事ではない数字です。

住宅の断熱性能、耐震性能、省エネ性能は、この数十年で大きく進化しました。ところが防腐防蟻に関しては、いまだに「5年ごとに再処理する」という前提の考え方が根強く残っています。

建物の期待寿命が延びるほど、木材劣化対策もまた長期目線で考える必要があります。とりわけ、完成後には手を入れにくい壁体内や小屋裏の木材をどう守るか。これは設計段階から織り込んでおくべき、重要なテーマです。

2.アメリカカンザイシロアリは、なぜ「床下対策」だけでは備えにくいのか

アメリカカンザイシロアリは、地下から侵入する在来種のシロアリとは異なります。空から飛来し、建物の高い部分から侵入してくることがあるのです。小屋裏、軒まわり、窓まわり、外壁の木部——床下以外の部位が、そのままリスク対象になります。

つまり、基礎まわりや床下だけの防蟻措置では、この外来種への備えとして十分とは言い切れないのです。

さらに、有機農薬系の殺虫剤は一定期間で効果が低下するため、再処理が前提になります。床下なら再処理できる場合もありますが、壁体内や小屋裏の奥まで引き渡し後に再施工するのは、容易ではありません。

住宅会社が抱えるリスクとは

ここに、住宅会社としてのリスクが潜んでいます。

「床下は処理していたが、壁の中や小屋裏は無防備だった」 「再処理が必要な薬剤だと、お施主様が十分に理解していなかった」

こうした認識のズレは、将来のトラブルにつながりかねません。

3.長期耐久の鍵は「木材そのものを守る」という発想

ホウ酸は無機ミネラルであり、揮発しません。木材の中に残り続ける限り、防蟻・防腐の効果が長く持続します。

言い換えれば、ホウ酸処理は「一定期間で成分がなくなる前提の処理」ではなく、「木材そのものを長く守る処理」だということです。この発想は、長期優良住宅や高耐久住宅を提案する工務店・設計者にとって、非常に相性のよい選択肢になります。

長期耐久を実現する3つの視点

ここで特に大切なのが、次の3つの視点です。

1.床下からの侵入経路を、物理的に抑えること

2.ホウ酸処理によって、木材そのものを守ること

3.施工後も定期的に点検し、状態を確認し続けること

薬剤を塗って終わり、ではありません。正しい設計理解、正しい施工、雨養生、現場管理、そして定期検査——そこまで含めて、はじめて長期的な安心につながります。

全構造材処理やホウ酸ダスティング処理を組み合わせれば、床下だけではカバーしきれない部位にも、対策の考え方を広げていくことができます。それはお施主様にとっては長期的な安心となり、工務店・設計者にとっては、信頼とブランドを守る提案になります。

おわりに——「自分の家のつもりで、木材を長く守る」

その姿勢こそ、これからの住宅会社に求められる耐久性提案ではないでしょうか。

アメリカカンザイシロアリまで見据えた高耐久な木造住宅を提案するなら、全構造材処理・ホウ酸ダスティング処理・定期検査体制まで含めて設計された「ボロンdeガード工法」を、ぜひご検討ください。