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vol.62 【リフォーム・DIYでできるシロアリ対策】アメリカカンザイシロアリに備えるホウ酸処理とは

【リフォーム・DIYでできるシロアリ対策】アメリカカンザイシロアリに備えるホウ酸処理とは

お住まい中の家でも始められる。リフォーム時こそ、ホウ酸でシロアリ・腐朽に備えるチャンス

「新築のときに防蟻処理をしたから、もう安心」——そう思っていませんか。

実は、リフォームや点検で壁や床を開けたとき、あるいは床下に潜れるときこそ、ふだん見えない木材を守る絶好のタイミングです。既存住宅でも、手の届く木部にホウ酸処理を行うことで、シロアリや腐朽への備えを高めることができます。

ポイントは、手が届いて塗れる木部か、それとも専用機材が必要な処理かという線引きです。壁や床を開けて見える木部、そして床下に潜って塗れる木部は、DIYでも対応できる範囲です。一方で、壁内や小屋裏の奥など人が入れない空間にホウ酸の粉末を行き渡らせる「ホウ酸ダスティング処理」は、専用機材と施工知識が必要なため、専門施工で行うべき処理です。

このコラムでは、DIYでできることと、専門業者に任せるべきことを分けて、リフォーム時のシロアリ対策をわかりやすく整理します。

1.「新築時にシロアリ工事をしたから安心」とは限らない理由

多くの住宅では、新築時に防蟻処理が行われています。しかし、その処理が有機農薬系殺虫剤の場合、一般的には一定期間で効果が低下していきます。

また、従来の防蟻処理は床下中心であることが多く、壁の中・小屋裏・2階まわりまで十分に処理されていない場合もあります。

ここで注意したいのが、アメリカカンザイシロアリの侵入経路です。このシロアリは、床下からだけでなく、飛来して建物の高い場所から侵入することがあります。

だからこそ、既存住宅でも「床下だけ見ればよい」という考え方ではなく、家全体の木材をどう守るかという視点が大切になります。

2.DIYでできるのは「手の届く木部へのホウ酸処理」

部分リフォームやDIYで大切なのは、普段は隠れている木材に手が届くタイミングを逃さないことです。

浴室の入れ替え、キッチンの交換、床の張り替え、壁の補修——こうした工事では、柱・間柱・土台・合板などの木材が見えることがあります。このとき見えている木部にホウ酸処理を行えば、その部分のシロアリや腐朽への備えを高められます。

床下も、潜れるならDIYの範囲です

床下も、点検口から潜って作業できる住宅であれば、DIYでホウ酸処理が可能です。土台や大引き、床束、根太など、床下で手の届く木部に塗布することで、シロアリや腐朽への備えを高められます。

ただし、床下作業には向き不向きがあります。潜って動き回る姿勢が苦にならないこと、床下の高さや配管・断熱材の状況に無理がないことが前提です。狭い・低い・湿気が多いなど、作業がつらいと感じる床下なら、無理をせず専門業者に任せたほうが安全です。

ホウ酸が長く働き続ける理由

ホウ酸は無機ミネラルで、揮発しません。そのため、有機農薬系殺虫剤のように空気中へ成分が出ていくものとは性質が異なります。木材の中に残り続ける限り、長く働き続けることが期待できます。

DIYで処理するときの注意点

DIYでホウ酸製品を使う場合は、必ず製品ごとの使用方法・処理量・乾燥時間・対象部位を確認してください。「少し塗ればよい」というものではなく、正しい量を、正しい場所に、正しい方法で処理することが大切です。

また、ホウ酸は水に弱い性質があります。雨漏り・水漏れ・結露などで木材が濡れる状態が続いている場合は、先に水の原因を直すことが必要です。水の問題を放置したまま処理しても、十分な効果を期待しにくくなります。

3.壁内・小屋裏など「閉鎖空間」は専門施工で考えるべき範囲

DIYでも床下まで対応できる一方、手が届かない場所は別です。既存住宅で難しいのは、壁の中・小屋裏の奥など、人が直接入って塗ることができない閉鎖空間をどう守るかです。

こうした場所には、「ホウ酸ダスティング処理」という方法があります。これは、ホウ酸の粉末を専用の機材で空間内に行き渡らせる処理です。

ホウ酸ダスティング処理がDIY向きでない理由

粉末を適切な場所へ届けるには、建物構造の理解・処理範囲の判断・専用機材・施工管理が必要です。不適切な施工では、必要な場所に十分な処理ができなかったり、生活空間への配慮が不足したりするおそれがあります。

そのため、壁内・小屋裏・閉鎖空間などへの処理は、専門業者に相談することをおすすめします。また、先ほど触れたように、床下でも作業がつらい・潜るのが難しいと感じる場合は、無理をせず専門施工を選ぶのが安心です。特にアメリカカンザイシロアリへの備えを考える場合は、床下だけでなく、建物の高い場所や外周部まで含めて確認する視点が重要です。

4.既存住宅の対策は「できる範囲」と「任せる範囲」を分けるのがコツ

既存住宅のホウ酸処理は、次の順番で考えるとスムーズです。

まず、雨漏り・水漏れ・結露・木材の劣化がないかを確認する。次に、リフォームやDIYで見えている木部、そして潜れるなら床下の木部には、製品の使用方法に従って正しくホウ酸処理を行う。そして、壁内・小屋裏など手の届かない場所は、専門業者による点検や施工を検討する。

整理すると——

DIYでできることは、見えている木部と、潜って作業できる床下の木部を守ること。 専門施工で考えるべきことは、人が入れない閉鎖空間や広い範囲を、専用機材で確実に処理すること。

この線引きを間違えないことが、既存住宅の木材劣化対策ではとても重要です。

家は、建てた後も手をかけることで長く守れます。リフォームやDIYのタイミングで見えた木部や、潜れる床下を守ることは、将来の不安を減らし、家族の暮らしと財産を守るための前向きなメンテナンスです。

一方で、壁内・小屋裏まで含めた住まい全体のシロアリ対策を検討するなら、ホウ酸処理・ホウ酸ダスティング処理・定期検査体制を組み合わせた「ボロンdeガード工法」がおすすめです。