黒い羽アリはシロアリ?黒アリ?被害のリスクや対処法について解説
家の中に黒い羽アリがたくさん発生した場合、「何か害をおよぼすかもしれない」と不安に感じる人がいるかもしれません。黒い羽アリは黒アリだけでなく、シロアリの可能性もあるので、注意が必要です。
今回は、黒い羽アリはシロアリなのか黒アリなのかについて、家への被害リスクや対処法とあわせて解説します。
黒い羽アリはシロアリ?黒アリ?
羽の生えたアリを見かけると、すべてシロアリと考えていませんか?黒っぽい羽アリは、黒アリの場合もあればシロアリの場合もあります。
代表的な黒いシロアリが、ヤマトシロアリです。日本全国に生息し、シロアリによる家屋被害の80%以上がヤマトシロアリによるものといわれています。
木材をエサとし、家の中では主に床下やバスルーム、トイレ、キッチンといった湿度の高いところに生息しているのが特徴です。ひとつの巣の中に、1万匹以上のヤマトシロアリがいるとされています。
羽アリを見つけた時の対処法を説明します。
黒い羽アリを家で見つけたときの家への被害は?
家の中で黒い羽アリが見つかった場合、家屋にはどのような被害が発生するのでしょうか?
黒い羽アリがシロアリだった場合、木材に含まれるセルロースを好むため、家の中の柱や天井、壁、床、梁、土台などがどんどん食べられてしまいます。基礎部分の木材がボロボロになって強度が下がり、家が傾いたり、最悪のケースでは倒壊したりすることもあるでしょう。
また、羽アリとなったシロアリは巣から飛び立ち、近くに新しい巣を形成して繁殖していきます。そうなった場合自分の家だけでなく、近所にも影響し生活に大きな被害をおよぼす可能性が高まります。
黒い羽アリが黒アリだったとしても、家の中にある食べ物や調味料にたかられるほか、刺されたり、かまれたりすることもあります。機械油を好む黒アリも存在します。テレビやパソコンといった電気器具、裏側から隙間を見つけ内部に侵入し、ケーブルなどをかじりショートや破損を招く恐れも考えられることです。
黒い羽アリがシロアリか黒アリか見分ける方法
シロアリの羽アリは、黒い色をしているため、一見黒アリと勘違いしてしまうかもしれません。羽アリがあらわれた場合はまずは見分けることでその後の対処が変わります。
シロアリと黒アリを見分ける方法は2つ。
【見た目】胴体が寸胴の黒い羽アリはシロアリの可能性あり
まずは、羽アリの胴体に着目してください。シロアリの胴体は寸胴でくびれがなく、真っすぐに伸びています。一方で、黒アリの胴体は細いくびれが特徴です。
また、羽にも違いがあります。シロアリと黒アリの羽アリは、どちらも4枚の羽をもっています。シロアリの羽は4枚とも同じ大きさです。対して、黒アリの羽は前方の2枚が大きくなっています。
最後は触角です。シロアリの触角は数珠上で短く、真っすぐ伸びていますが、黒アリの触角はくの字に曲がり、長くなっています。
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【発生時期】春の黒い羽アリはシロアリの可能性あり
発生時期からも、シロアリなのか黒アリなのかを見分けられます。黒い羽アリが発生する時期は、毎年4〜10月頃です。そのうち、シロアリが発生しやすいのは、4月〜7月頃です。
前述した日本の家屋被害の80%以上を占めるヤマトシロアリは、春の4月〜5月に発生します。そのため、4月〜5月にかけて発生する黒い羽アリは、シロアリの可能性が高まるでしょう。とくに雨が降った翌日、晴れた日の午前中に飛び立ちます。
黒ではなく茶色の羽アリも要注意!
体が黒色ではなく、茶色の羽アリも見かけるかもしれません。茶色の羽アリは、イエシロアリの可能性があります。
イエシロアリも、シロアリの一種です。関東より西に生息し、ヤマトシロアリと同じように木材を食します。自分で水分を運べることから移動範囲が広く、家屋に大きな被害をもたらしかねません。毎年6月〜7月が発生時期で、風のない夕方から夜にかけて飛び立ちます。
黒い羽アリが家に出たらどうする?
もし家の中に黒い羽アリが発生した場合は、以下の方法で対処しましょう。
➀シロアリか黒アリか見分ける
まずは黒い羽アリがシロアリなのか、それとも黒アリなのかを見分けましょう。黒アリも人間を刺したり、電化製品をショートさせたりと被害をおよぼしますが、シロアリは家屋の傾きや倒壊など、甚大な被害を引き起こします。見た目の特徴や発生時期の違いなどから、シロアリなのか黒アリなのかを見分けましょう。
②殺虫剤を使わない一時的な対処をする
一時的な対処としておすすめなのは、掃除機で吸い取ったり、粘着テープでくっつけたりして駆除しましょう。掃除機で吸い取ったシロアリは圧で死滅しますが、念のため、掃除機の中のゴミは速やかに処分すると安心です。
黒い羽アリがシロアリだった場合、殺虫剤を使うのは止めましょう。目に見えるシロアリ自体は死滅しますが、逃げ延びたシロアリが奥深くに入り込み被害範囲が広くなるリスクがあります。壁の中や土の中で生き残ったシロアリが殺虫剤を嫌がり、活動場所を変える恐れがあるためです。
③ホウ酸処理でアリを駆除
シロアリには、ホウ酸処理が効果的です。ホウ酸は世界中で防腐・防蟻剤として使われており、シシロアリが寄り付かなくなるという大きな効果をもたらします。
ホウ酸におけるアリの防蟻方法は、YouTubeなどで紹介されている場合があります。自分で市販品のホウ酸を使って処理するのは濃度が薄く、こまめに処理しなければなりません。手間が気になる人は専門業者にお願いすることをおすすめします。
黒い羽アリを家に寄せ付けない3つの対策
黒い羽アリの発生を防ぐためには、そもそも家に寄せ付けないことが大切です。羽アリを予防するための方法は3つ。それぞれの対策をみていきましょう。
①光が外に漏れないようにする
羽アリは、光に向かって飛んでいく習性があります。家の中に巣がなくても、外から自宅の光を目がけて飛んできた羽アリが、そのまま生息してしまうことも考えられることです。
光が外に漏れないように、遮光カーテンを利用したり、窓やドアに羽アリが入り込む隙間がないようにしましょう。また、羽アリは紫外線にも反応を示すため、自宅の電球を、紫外線を発しないLEDライトに交換するのもオススメです。
②アリが棲みやすい環境をつくらない
アリが棲みやすい環境をつくらないことも大切です。床下の通気口が物で塞がっていたり、自宅の庭にいつも水をまいていたりすると、家屋の湿度が高まってアリが棲みつきやすい環境となってしまうでしょう。
シロアリのエサとなるダンボールや廃材、枯れ葉などは放置せず、片付けるようにしてください。
③ホウ酸処理でシロアリが寄り付かなくなる
ホウ酸処理は、シロアリが寄り付かなくなる効果ももっています。時間の経過によって効果が下がることはなく、水に流されない限り半永久的に効果が持続します。
ホウ酸は昆虫に対してのみ有効に作用します。人間や犬、猫といった哺乳類に与える影響はほとんどないので、駆除後の健康を害することなく安心してできる対策法です。
まとめ
家の中で見かけた黒い羽アリは黒アリだけでなく、シロアリの可能性もあります。ヤマトシロアリの羽アリの体は、黒い色をしているためです。
シロアリが大量に発生している場合、住宅の基盤が弱まったり、近所にシロアリが拡散したりして噂を立てられるなど生活に大きく影響します。ホウ酸を自分で吹きつけたりして対処していきましょう。羽アリのシロアリの数が多い場合はできるだけ早く駆除業者に連絡し、根本的な対処をとってもらいましょう。
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